イギリスの介護施設で提供されている食事

イギリスの介護施設で提供されている食事

イギリスの介護施設で提供されていた食事

レジデント達がどんな食事をしているのかをご紹介。
ちなみにボランティアには昼食が支給されるので、昼はレジデントと同じものを食べた。
朝夕は自分で適当に済ませるか、自炊をしていた。

朝食 breakfast 8:00-10:00

トーストコーンフレーク紅茶がメイン。
人によってはヨーグルトバナナを食べている人もいた。
紅茶(ミルクティー)は必須
トーストを焼いたりコーンフレークやポリッジ(後述)を作るのはボランティアの役目。

ところで食パンはとても薄い
日本のサンドイッチ用12枚切りくらいのものが MediumまたはThick slice という名前で売られている。
MediumとThickの差が1mmも無いのでなぜ区別する必要があるのか分からない。
Thin slice は見かけなかった。

これをトーストするのでもれなくカリカリになる。
これはこれで美味しいのだが、帰国した時ふんわりもっちり食感の日本の食パントーストのあまりの美味しさに感動してしまった。

以下は私が日本で見たことがなかったもの。

Weetabix


photo by https://www.weetabix.co.uk/

固めた薄味のオールブランの様なもの。
ミルクをかけて食べる。
そのまま齧ることもできるがかなりパサパサしている。

Ready Brek

photo by amazon.com


photo by mummyof3diaries.co.uk

インスタントのporridge(ポリッジ、パンがゆの様なもの)
甘くしても塩味でもOK。

ミルクと混ぜて電子レンジで温めるとトロミのあるおかゆになる。
ミルクが少ないと粘り気の強い糊のような物体が出来上がってしまう。

かなりふわふわと軽い粉状なので取り扱いに注意が必要。
雑に皿に出すと目の前まで舞い上がるしテーブル中粉まみれになる。

昼食 dinner 12:00-13:30

イギリスでは一日の中で最も大きな食事dinnerと呼ぶ。
なので私のいた施設では昼食がdinnerだった。

ボランティア初日にキッチンスタッフから「ランチのディナーは何を食べる?」と聞かれて混乱したのは懐かしい想い出だ。

基本セットはメインと付け合わせ野菜のワンプレートデザート紅茶

フィッシュ&チップス Fish & Chips

ご存知イギリスの国民食。
付け合わせにベイクドビーンズとグリンピースがつく。
冷凍のフィッシュフライなので下味がついていないため味が薄い。

金曜日は魚の日で、毎週金曜日はフィッシュ&チップスか蒸した魚の二択だった。
ちなみに金曜日が魚の日なのはカトリックの古い伝統に則った習慣らしい。

元はイースター前の聖金曜日(Good Friday:キリストの受難日)に肉食を避けるというものだったようだ。
魚はOKなので、金曜日が魚の日として定着したのだろうか。
もっとも私のいた施設ではそういう習慣になっていたが、イギリス全国統一の習慣ではない

付け合わせの薄甘いトマト味のベイクドビーンズが私は苦手で、タバスコ的なソースをかけて辛味でごまかして食べていた。
でも好きな人は結構好きだと言う。

デザートはパウンドケーキのようなどっしりしたケーキ溺れるほどのカスタードクリームをかけたもの。
クリームはカスタードか生クリームか選べる。
パブでもレストランでもケーキ類のデザートはクリームに溺れていた。
これがイギリスのスタンダードらしい。

コッテージパイ Cottage pie

トマト風味のひき肉とマッシュドポテトを重ねて焼いたパイ。
パイと言ってもパイ生地はない
パイ皿に入れてオーブンで焼いたら『パイ』料理になるらしい
付け合わせにさらにマッシュドポテトがつく。なんでやねん。

羊のひき肉で作るとシェパーズパイという名前に変わる。
コッテージパイとシェパーズパイは外食で注文してもハズレが少ないおススメ料理。

付け合わせには茹でたブロッコリーと茹でた人参と茹でたカブ
これにグレービーソースがかかってくる。

野菜はグズグズになる一歩手前まで茹でまくられている。
味も歯応えももはや失われていたので私はこれを茹で殺し野菜と呼んでいた。

障害者施設なので食べやすいようにという配慮からではない。
イギリスではこの茹で加減がちょうど良い茹で具合なのだ。
恐ろしいことに2年もイギリスにいると帰国してからこの茹で殺し野菜がちょっとだけ恋しくなる。

デザートは…見えないけどパイナップルケーキだったかな。

パスタベイク Pasta bake

トマトクリーム風味のツイストパスタにチーズをかけてオーブンで焼いたもの。
パスタはふにゃふにゃに柔らかくなっているがクリーム風味と相まって優しい味に仕上がっている。
ちょっと味が単調なので最後飽きてくるのが欠点。

デザートは…何ケーキだろう、見えない。
カスタード少なめで、とお願いしてもこれくらいはかけてくる。
「遠慮しなくていいんだよ!」って笑顔で。
いや、遠慮じゃなくてな。

他にも聞いたこともないような料理もあった。

ケジャリー Kedgeree



photo by bbcfood.com

魚と固ゆで卵入りカレーピラフまたはカレーライス。
元はインドのKhishriとかKhichriとかいうレンズ豆と米のピラフのような料理だったらしい。

トードインザホール Toad in the hole(穴の中のヒキガエル)



photo by recipessquared.com

名前のセンスがひどい。
ヨークシャープディングに埋まったソーセージ。
ヨークシャープディングは塩味のシュークリーム皮のようなものでローストビーフの定番の付け合わせ。
ソーセージはイギリス式の、むっちりした食感のもの。
私はこのイギリスソーセージが苦手だったのでこれを選択することはなかった。

夕食 supper 17:00-18:00

メインの食事は昼に取っているので夕食は軽く済ませていた。
大抵はサンドイッチ一つやチーズ&クラッカーくらいだ。

こんな少なくて足りるのだろうかと思った。
案の定夜にはお腹がすくらしく、夜にもう一度部屋にお茶が配られていた。
この時希望すればトーストやクラッカーがもらえるそうだ。

普通のイギリス人はどんな食事を取っているのだろう

20歳台半ばのイギリス人スタッフに普段の食事はどんな感じか聞いたところ、「昼にホットミールを食べるけど、朝夕はコールドミールで済ませる」との答えだった。
コールドミールというのがサンドイッチやクラッカーなどの軽食、ホットミールは温かい状態で提供されるいわゆる『お食事』という感じらしい。

私はコールドミールだけだと間食っぽくて物足りなく感じていた。
夜は自炊してホットミールを食べているよ、とそのスタッフに言うと「一日2回もホットミールを食べるの!?」と驚かれた。

もっともこの辺りは個人差があり、三食きっちり料理する人もいれば一日一食温かい料理があれば満足という人もいた


ここまで読んでイギリスの食事に興味が湧いた方へ。
イギリス食文化についての書籍として林望さんの『イギリスはおいしい』を推しておきたい。

イギリスはおいしいと言っておきながら内容の半分以上はイギリスの飯がいかに不味いかというだ。
それなのにイギリス料理に対する確かな愛着と暖かな眼差しが感じられる名著
イギリスに行く人には全員一読していただきたい一冊。
文庫本なのでイギリス旅行に持って行って現地で「あーっ!これのことか!」と実感するのも楽しい。

 

では今回はこの辺で。
(°ω°)ノシ

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