イギリス英語の歴史【古英語から近代英語まで】

イギリス英語の歴史【古英語から近代英語まで】

イギリス英語の歴史【古英語から近代英語まで】

英語ってそもそもどんな言語なんだろう、ラテン語の仲間って聞いた事があるような…と思って調べてみたら結構なボリュームになったので、自分の中での備忘録として書き留めておきたい。

取り敢えず英語の起源ははっきりしていて、西ゲルマン語(ドイツ語の一方言)を起源とするというところは確定しているらしい。ラテン語じゃなかった∑(゚Д゚)

そこから現代の英語になるまでどんな道を辿って来たのか追っていきたい。

英語以前の言語たち

有史以前、どのくらい昔の話なのかさっぱり分からないが恐らく数千年前、この頃は印欧祖語と呼ばれる言語がブリテン島に住む人々の間で話されていたと考えられているようだ。

印欧祖語ってなに?

印欧祖語(インド・ヨーロッパ祖語)とは

印欧語族の諸言語に共通の祖先として理論的に構築された仮設上の言語。ラテン語・ギリシャ語・サンスクリットなどの各古典言語をはじめ、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語などヨーロッパで話されている言語の大部分や、クルド語・ペルシア語・ヒンディー語などトルコからインド亜大陸にかけて話されている言語が、この印欧祖語から派生したとされる。
Wikipediaより

その後、紀元前にブリテン島にケルト人が定住し、先住民族の言語としてケルト語が話されるようになった。

紀元前1世紀〜紀元4世紀にかけてはローマ人による支配のため、支配階級はラテン語を話したとされる。この頃のブリテン島の呼び名がブリタニアだそうだ。その後ローマ帝国の衰退に伴い、紀元4世紀にローマ人はブリテン島から撤退した。そんな訳でラテン語も一旦ブリテン島から退く事になる。

古英語(5世紀〜)

紀元5世紀ゲルマン民族大移動に伴いゲルマン人がブリテン島を占拠。

北ドイツのサクソン人、デンマークのアングル人もブリテン島に入り込んできた。アングロ・サクソン人達は自分達の話す言語をenglisc(エングリシュ)と呼んでおり、これがEnglishという単語の語源になっている。

何にせよゲルマン人大移動により様々なゲルマン語の方言がブリテン島で話されるようになった。最終的にはドイツ西部の一方言であった西ゲルマン語が生き残り、以後ゲルマン語を起源とする英語が発展していったようだ。

この後はゲルマン語(アングロ・サクソン語)をベースとしながらも、外国からの侵略や何やで様々な言語が流れ込み、混ざり合いながら古英語に発展していくことになる。

7世紀にはバイキングの侵入により古ノルド語が流入。古ノルド語と古英語はかなり似ていた言語のようで、イギリス人とバイキングの意思疎通は比較的容易だったらしい。

そうして9世紀、アルフレッド大王によるイングランド統一により言語や教育が発展

このアルフレッド大王はバイキングの侵攻によって荒廃したブリテン島の教育・文化を憂いて、積極的にラテン語の文書などを古英語に翻訳させたらしい。アルフレッド大王時代の文書は貴重な古英語の資料となっている。

ところで古英語は現代の英語とは綴りも語順も全く異なっているし、今は使われなくなったアルファベットも含まれるので、見てもほぼ読めない。記事の最後にオマケとして聖書のフレーズを載せているので興味がある人はどうぞ。

中英語(11世紀〜)

英語史を語る上で外せない出来事が1066年ノルマン・コンクエスト。ノルマンディー公ウィリアム1世によるイギリス征服。

ノルマン人とはフランス北部に定住していた元バイキングの人々で、話す言語はフランス語だった。ここからフランス語の影響を受けた中英語が発展していった。

この時代もっぱら支配階級はフランス語、庶民は英語を話していたようだ。

中英語ではノルマン人を通して大量のフランス語(少なくとも1万語)が流入。流入したフランス語の語源はラテン語・ギリシャ語に至るものも多いため、ラテン・ギリシャ語由来の単語も英語の中に多数入り込む事になった。

14世紀になるとフランスとの百年戦争のなかで敵国語であるフランス語への反発があり、支配階級の公用語も英語になっていった。1362年には英語は正式にイギリスの公用語になった

近代英語(16世紀〜)

16世紀になると印刷革命、ルネッサンス、そしてシェークスピアにより近代英語は大きな影響を受ける。

活版印刷の普及によりそれまでバラバラだった英語の綴りは、印刷場のある「ロンドン英語」に統一され始める。

ちなみにこの時代では英語は綴りの通りに発音(takeならターケという具合)していたため、人々は耳で聞こえた通りに単語を書いていたらしい。そのため綴りはバラバラだった。しかし印刷の発展により本や新聞の記載法を統一する必要があり、徐々に印刷場のあるロンドンの綴りに統一されていったようだ。

ルネッサンスによる文芸の発展に伴い、英語にはない言葉をラテン語ギリシャ語から積極的に借用して英語はその語彙を増やしていった。

シェークスピアは数多くの造語新しい英語表現を創作した。現代でも使われる表現も多数残している。

大母音推移による発音の変化

ところでこの時代、大母音推移という現象がイギリスで発生した。

15〜17世紀の間に緩やかに、しかし劇的に進行した英語の発音変化。この大母音推移により英語は綴りと音声の乖離という問題を抱えることになってしまった。

大母音推移についての詳しい話はこちらからどうぞ。

綴りの確定

18世紀になると本格的な辞書の編纂が行われた。

イギリスではサミュエル・ジョンソン Samuel Johnson による “A Dictionary of the English Language(1755)”

アメリカではノア・ウェブスター Noah Webster による “An American Dictionary of the English Language(1828)”

この2冊の辞書によって現在の綴り、発音がほぼ固定したようだ。

この二人についての詳しい記事はこちら。


学生の頃「英語はラテン語から発生した」という話を聞いたことがあり、うすらぼんやりと信じていたんだけど、全然違った

チョイチョイとインターネットを検索しただけでこれだけの情報が簡単に手に入るのだから便利な時代になったもんだよなぁ…

オマケ

聖書の有名なフレーズを古英語から現代英語まで比べてみよう。

古英語:Fćder ure ţuţe eart on heofonum, si ţin nama gehalgod(1000頃)…全くもって何を言っているのか分からない/(^o^)\ 知ってる単語が一つもない。英語かどうかすら不明なレベル。

これは現代英語に直訳すると、Father our, thou that art in heavens, be thy name hallowed になる。現代とは語順が違っているのでこうなるらしい。

中英語:Oure fadir ţat art in heuenes halwid be ţi name (1384) まださっぱり/(^o^)\ 辛うじてin, be, name辺りに英語の片鱗が見える。

近代英語:Our father which art in heauen, hallowed be thy name(1611)近代になるとようやく見た事のある単語が出てくる。

現代英語:Our Father, who art in heaven, hallowed be thy name (1985) 現代英語と言いつつ聖書の言い回しだからかartだのthyだの古臭い単語がまだある。けど、ようやく聞いた事のあるフレーズになってきた。

日本語訳:天にまします我らの父よ 願わくは み名をあがめさせたまえ

・:*+.\(( °ω° ))/.:+あー!聞いたことある!!

・参考 ⇒英語の歴史 図解

では今回はこの辺で。
(°ω°)ノシ

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