赤十字インターンちょっと困ったお客さん②【電話口で二輪歩行器の使い方が分からないとパニクるおばあさん】

赤十字インターンちょっと困ったお客さん②【電話口で二輪歩行器の使い方が分からないとパニクるおばあさん】

赤十字インターンちょっと困ったお客さん②【電話口で二輪歩行器の使い方が分からないとパニクるおばあさん】

 
ある日、歩行器を借りたいというおばあさんから電話がかかってきた。
 
足腰が弱くなって長く歩くことができないので歩行器を使いたいということだ。医療機関からの紹介状には「二輪歩行器」にチェックが付いているそうだ。
 
これが二輪歩行器。主に屋内で利用する。前の足に車輪が付いている。ズルズルと押して使うのではなく、一歩ごとに後方の足を軽く持ち上げ床を滑らせるようにして歩く。
 

ちなみにこちらは四輪歩行器。主に屋外に散歩や買い物に出かけるときに使うもので、座れる部分やバスケットが付いている。動かしやすいので人気商品だけど在庫は少ない。
 
おばあさんは本当は四輪歩行器が借りたかったらしく、どうにか貸し出してくれないかと言い出した。
 
ここで思い出して欲しいのだが、私がボランティアをしている赤十字医療機器貸出プログラムでは医療機関からの紹介状がなければ貸出せない
 

ちなみにこれが紹介状(referral form)、医師・看護師・理学療法士・作業療法士など医療専門家が記入できる。
 
どうしても四輪歩行器が借りたいのなら医療機関で書類を書いてもらってきてくださいと説明するが、それは面倒だから行きたくないらしい
 
紹介状に書いてあるものしか貸出せないんですよ〜新しく紹介状がいるんですよ〜と説明しているうちに今度は二輪歩行器というものに納得がいかないとゴネはじめた
 
「手すりを掴むでしょ、床につく部分に車輪が二つ付いてるでしょ、他のところはどうなっているの?それで歩けるなんて理解できないわ!」と。
 
たしかに車輪の付いていない部分はあるが、そこは床に軽く滑らせるようにして一歩一歩歩くようにできている。
 
拙い英語で必死で説明しようとするも、何を言っても「分からないわ!納得がいかないわ!二輪歩行器じゃ歩けないわ!!」と徐々に自分のセリフでパニックになりだした
 
半分くらいはうまく説明できなかった私のせいかもしれないが
 
貸し出すときに説明書も付けるし、歩けますよ〜、大丈夫ですよ〜となだめようとするが「二輪歩行器じゃ歩けないわ!どうしたら良いの!どうしろって言うの!?」と完全にパニックになり、こちらの言うことは全く聞いてくれなくなってしまった。
 
そう言われてもこちらとしては「四輪歩行器を借りたいのなら、ちゃんと医療機関に行って改めて四輪歩行器の紹介状をもらってきてくれよ…」としか言いようがない。流石にこのタイミングでは言えないが。
 
20分以上話を聞いていたが完全にラチがあかなくなってしまった。これ以上自分では対応できないと諦め、隣にいた他のボランティアメンバーに助けを求めて電話を代わってもらった
 
電話を代わってくれた同僚は、かなり(本当にかなり)押しの強い人なのでなんとかしてくれるんじゃないかと期待を寄せた。
 
電話を代わった同僚は相変わらずパニクって二輪歩行器が使えないと言っているおばあさんに対して
 
「YOU KNOW, JUST GRUB THE BAR. AND PUSH IT!(あのね、手すりを掴むでしょ。そして、押しなさい!)」と説明した。
 
え…そんなシンプルな説明で良いの?と戸惑う私を尻目に彼女は
 
「NO, NO, NO. PUSH IT! JUST PUSH IT!! THEN YOU CAN WALK! DO YOU UNDERSTAND!?(違う、違う、違う。押すだけ!ただ押すだけ!!それで歩ける!分かった!?)」
 
と力強く説明している。
 
おばあさんが理解したのか、それとも何を言われても「NO! PUSH IT!!(違う!押すだけ!!)」という説明で押し通す同僚に根負けしたのか分からないが、同僚は5分程度で電話を終えた。
 
…強い(◎_◎;)
 
同僚は電話を切ってこちらを振り返り、「二輪歩行器は押せば歩けるのよ、知ってるでしょ!」と。
 
…うん、知ってるけどね。あんなに力強く説明できないんだわ。
 
ともかく私が20分以上かけて悪化させてしまった問題を、ものの5分で解決してしまった彼女には感謝しかないm(_ _)m
 

 
この件で学んだのは、こちらが自信なさそうに話していると先方は「押せばワガママが通るんじゃないか」と思って自分の意見を押し通そうとし続けるという事。
 
強くならねばな。
 
では今回はこの辺で。
(°ω°)ノシ

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