赤十字インターンちょっと困ったお客さん⑤【アメリカから病気で歩けないお母さんを旅行に連れてきたおじさん】

赤十字インターンちょっと困ったお客さん⑤【アメリカから病気で歩けないお母さんを旅行に連れてきたおじさん】

赤十字インターンちょっと困ったお客さん⑤【アメリカから病気で歩けないお母さんを旅行に連れてきたおじさん】

 
カナダ赤十字医療器具貸出サービスは、なんと海外の患者でも対応してくれる
 
自国の主治医に紹介状を書いてもらってくれば、それでカナダ旅行中に車椅子などを借りれるらしい。
 

ちなみにこちらが紹介状の書式。赤十字のホームページからダウンロードもできる。
 
今回は旅行中にサービスを利用したいと言って来たアメリカ人のおじさんの話。
 

 
ある日電話で、アメリカから旅行に来ているが母親が歩けないので車椅子を貸して欲しいとの問い合わせがあった。声からして50〜60代の男性だと思う。
 
お母さんはどうやらガンを患っていて歩くことが難しいらしい。一緒にカナダに旅行に来たが、その間の移動のために車椅子を貸し出して欲しいという事だった。
 
カナダ在住じゃなくても貸し出せるのか分からなかったので同僚に確認してみたら、紹介状があれば貸し出せるよ、と。
 
まじかーーー!
太っ腹ーーーー!!
 
感動しつつ、電話で「貸出し出来ますが、紹介状が必要です。紹介状は持っていますか?」と伝えた。
 
するとおじさんは怒り出した。
 
紹介状が必要なんて聞いていない!母はガンなんだ!歩けないんだ!主治医はアメリカにいるんだぞ!紹介状をもらいに帰れと言うのか!どうしろって言うんだ!!
 
どうしろって言うんだってフレーズは無茶を通そうとする人がよく使う気がする。
 
こっちが聞きたいよ、ホント
お母さん歩けないんでしょ?
どうすんだよ。
 
っていうかどうやって来たんだよ
なんで何の準備もせずに歩けないお母さん海外旅行に連れて来るのよ
隣の国だからって舐めてかかってんのかよ。
 
まったくもって準備不足ですね、と言いたいが言えない(言語的な問題で)
 
とりあえず一から説明しないといけないのか…と暗い気持ちになりつつも
 
「このプログラムを利用するためには紹介状が必要です」
「医療スタッフが誰にどんな器具が必要かを判断して紹介状を書きます」
「こちらでは紹介状に従って器具を貸し出しています」
「寄付された医療器具をより多くの人とシェアするためのシステムです」
 
とかなんとか説明していると、おじさんがゴネはじめた。
 
「母は歩けないんだぞ、困っているんだぞ」
「困っている人がいるのに紙切れが大事なのか」
「それがポリシーか」
「前に利用した時にはそんな紙切れ必要なかったぞ」
 
…あれ?以前も利用したことがあるの?それでこんなに強気なの?
 
ってーか、必須書類を紙切れ呼ばわりですか。
その紙切れ一つ準備してこなかった自分のミスは棚上げですか
 
しかし以前利用したことがあってその時と違うと言われると、もう私では対応できない。以前のシステムがどうだったのかを知らないからだ。
 
 
と言うわけでマネージャーにパス…しようとしたらマネージャーが不在だったので、事務所にいたインターンの若者に電話を託す
 
インターン君は丁寧な対応が特徴の人なので、どうにか宥めてくれるはず…!
 
インターン君の対応を聞いていると、こんな感じで説明していた。
 
「そうですね、大変ですよね」
「そうなんですね、以前は紹介状なしで借りることができたんですね」
「システムは変わって、今では紹介状が必要なんですよ」
「紹介状は正式な書式じゃなくても大丈夫ですよ」
お母さんの主治医と連絡を取って、カナダで車椅子を借りたいから一筆書いてくれるように依頼してください
「大丈夫ですよ、eメールに書類を添付して貰えば」
「いいえ、それは私たちはできませんので自分で連絡を取ってください」
「そうです、あなたが、お母さんの主治医にメールを送ってください」
 
…おじさん、メール連絡までこっちにやらせようとしてるのか。呆れるわ…)
 
 
ところでゴネる人って全ての手続きを人にやらせようとする人が多い気がする
 
それなのに、担当の理学療法士の名前も主治医の名前も正確には覚えていないし、連絡先も知らない。ひどい時には病院の名前すら覚えてないことがあるのでこちらも調べようが無い。
 
医療機関同士だから情報を共有しているとでも思っているのか…。
 
…ただの愚痴なので聞き流してね。
 
 
結局インターン君は30分ほど話をして、おじさんがアメリカにいるお母さんの主治医にメールをして紹介状もメールで送ってもらう事で納得してもらっていた。
 
それにしても以前は紹介状が必要なかったんだ〜と思ってインターン君に聞いてみたら、
 
「あのおじさんが前回利用したって言ってるの、10年前の話らしいよ。その頃は紹介状いらなかったのかな。僕も知らないけど。」
 
10年前かよ!!
 
10年前のシステムが今でも通用してると思ったのかよ!
世の中日進月歩ですよ!!
 
びっくりするわー。
 
 
それはそうと丸く収まったようで良かった。
 
こういうイレギュラーなお客さんの対応は、私では英語でうまく説明することができないので大体マネージャーやインターンにパスするしかない。
 
なのでマネージャー達には本当に申し訳ないと思っている。
 
けど、まだうまく説明できないんだよ…orz
 

 
海外旅行中の人にどうやって対応するのかも分かったので非常に勉強になった事例だった。
 
(ただねー、個人的な印象をいうとねー、あのおじさん車椅子借りてったら借りパクしてそのままアメリカに帰ると思うんだー
 
では今回はこの辺で。
(°ω°)ノシ
 

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